Lightwave3D-11(その3)

LightWave11の新機能、Fracture(粉砕)とBullet Dynamicsを使った実験。
銃撃により紫電11型のエルロン(補助翼)が吹っ飛ぶワンカットのムービーを作ってみた。


先ずはモデラーでFracture(粉砕)を使った仕込み作業。
破壊される左翼エルロンを選択、Multiplyタブに加わったFractureで粉砕する。
細かい説明は省くが今回はアルゴリズムをMatrixにして粉砕してみた。


実物のエルロンはジュラルミンの小骨を外皮で覆った中空構造なのだが、粉砕されたオブジェクトはちょうど石膏をハンマーで砕いたような印象で、実際とはかけ離れているが、そこはそれ、実験ということで目を瞑ることにしましょ。


レイアウトに移って紫電の飛行のシーンを作る。とりあえず手短に4秒120fpsで作成。
それが終わったらいよいよBullet物理演算でエルロンをフっ飛ばす。
今回はモデラーで粉砕済みのオブジェクトを使用するのでItemのタイプはPartsを選択。
質量方法(Mass Method)はボリューム密度(Volume Density)にしたが、これらの設定は理屈はさておき、望んだ結果に最も近づくようにトライ&エラーを繰り返すが吉。そのうちに理論云々も理解できよう。


本来、エルロンを破壊するのは敵機の銃弾だが、今回はその銃弾を手っ取り早くWorleyのプラグイン、TAFTのTracerで表現することにした。
TAFTのTracerはピクセルシェーダーなのでジオメトリを持たない。なので銃弾の変わりにNullオブジェクトを1つ用意して、ItemのタイプをKinematicとしてダイナミックを設定。これをエルロンにブチ当てる。

とこのようにエルロンが吹っ飛ぶ。
今までのLightwaveのFXより手軽な割りにそれらしい表現ができるようになったように思う。