立体視ムービー(その4)

カメラの注視点と立体視での見え方の関係。
と、その前にまず3Dソフトでのカメラのセットアップについて。
Mayaなどステレオレンダリングに対応したソフトもあるけれど、自力でのセットアップも大して困難なことではない。
以下にLightwaveを使った方法を示すが、それ以外のソフトでもほぼ同様の方法で対応可能なはず。
(1)まずNullオブジェクト(仮にNullHeadと命名)を1つ配置。
(2)このNullHeadを親とする2台のカメラを設置。2台のカメラの設定は次に述べるX座標以外は必ず全て同じにすること。
(3)これらのカメラをNullHeadの中心点からX軸(横方向)にそれぞれ+30mm,-30mm(=60mm、これについては前回の日記を参照)オフセットする。つまり主観者の頭がNullHeadで、2台のカメラが左右の目という感じ。
(4)次にもう1つNullオブジェクト(仮にNullTargetと命名)を配置。
(5)これを先ほどのNullHeadとカメラx2のターゲットとする。
以上で完了。
これでNullTargetを移動させれば頭と視線はそれを追従するし、NullHeadを移動させれば主観者が移動したことになる。
気を付けなければいけないのはNullHeadも必ずNullTargetを指向させること。これを忘れると現実世界では多々あることだが頭を動かさず視線だけを目標物に向けることになり、カメラと目標物との距離が左右で異なってしまい立体視に支障を来たす。


左右の視線が交差する点、つまりNullTargetの位置のことをクロスポイントという。このクロスポイントと被写体の前後の位置関係で立体視の際の見え方が変わる。
クロスポイントの位置がディスプレイ表面に当たると思えばよい。
つまりクロスポイントと同じ位置に配置したオブジェクトはまさにディスプレイと同一面上に見え、クロスポイントより奥に配置したオブジェクトはデイスプレイの更に奥、言い換えればスマホの中あるいは向こう側に展開されているように見え、クロスポイントより手前に配置したオブジェクトはディスプレイから飛び出しているように見えるのだ。

特にこの飛び出して見える感覚は立体視の醍醐味で、思わず手で掴みたくなるほど。
効果的に使いたいところである。
(続く・・・)